Kさんは洗剤などは自分で買えますが、衣類などはなかなか自分から訴えることがなく、気付くとボロボロになっていることもあるので定期的に必要なものはないか確認をしています。
「何か買いたいものなかった?」
「んーと…あ、部屋のマット❗️糸が出てます❗️」
翌日、持ってきてもらうとかなり年季のはいったマットで、これは買い替え決定。
あらかじめ目星をつけてからKさんをお店に連れていきます。
普段と違うことが苦手なKさん、おでかけはそれなりに楽しみでも長い時間、売場で悩むことはできません。
そんな彼を連れて売場に直行しようとして、あれ?なんか気になる…
「ねえ、ちょっと帽子見せて」
いつも被っている帽子。かなり汚れてしまい、あ~これは洗っても無理…気付かなかったなぁ。
「帽子も買おう❗️こっちだよ」
予定外のことに明らかにKさんは動揺しましたが、後回しにしても気にしてしまうので、今しかない❗️ということで帽子コーナーで
「色、何がいい?黒?じゃあこれか、これ。どっちがいい?」
「こっちかな…」
「かぶってみようか、いいね似合うね。決定ね。ついでだ、靴下も買おうよ。あと、何かないかなぁ」
後でまたお出かけするより、今日買おうよと促すと、思い出したようで、下着も選びました。
目的のマットは目星をつけていたものをすんなり選んで、短時間でお買い物は終了です。
帰りの車の中で小声で歌うKさん。いつもなら目に入るものを早口でまくし立てますが、なんとか落ち着いていられたようです。
なかなか身の回りのことに気を配れない利用者さんは多いので、こまめに確認を続けていきます。
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