小さな一歩

普段はなかなかはっきりした言葉が出てこないSさん。

彼女は毎日昼食の配膳を手伝い、準備ができると

全員に「ごはん」の声をかけるのがお仕事です。

以前は「ご・は・ん・だ・よ」が言えず「ま・ま・だ・よ」と

言っていましたが、「ご・は・ん・だ・よの練習をしようよ」

と言うと、最初は一語一語私の後からいっていましたが、

今では立派なもので、1人で言えるようになりました。

そこでまた、「あ・さ」のことをいつも「お・は・よ」と言っているので

「あ・さの方が簡単だよ」教えると「あ・さ」と何回か練習していました。

 

7月の初めに七夕の短冊に彼女が書いた願い事は

『グループホームのみんなの名前が呼べるようになりますように』。

今までは、背の高い利用者さんは高さをジェスチャーで表現・・・

眼鏡をかけた利用者さんは眼鏡をジェスチャーで表現・・・

言葉で表現しなくても、まわりのみんながジェスチャーを理解

してくれるのですが、やはりジェスチャー付きで口から出る言葉は

「ん」!!!のひと言だと、呼ばれた利用者はあまり嬉しくはないようでした。

そう思った私が「名前で呼ぶ練習をしようよ」と声をかけたのでした。

昼休み、何回か一緒に練習しましたがまだまだ結果はでていません。

彼女の小さな一歩をこのまま支え一緒に練習をしていきたいと思います。

いつか、私の名前も呼んでくれるようになればいいなぁ・・・

 

 

 

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