震災のあの時運転中でした。
身体が車外へ放り出されそうな大きな揺れで窓枠にしがみついていました。
バス停で抱き合っている人やオフィスビルから飛び出してくる人が見えました。
揺れがおさまり、恐る恐るエンジンをかけ、そろりそろりと前進。
カーラジオでは絶えず各地の震度を伝え、信号機は止まり慌しさと不気味な気配。
フロントガラスに鼻がくっつく程に身体が前のめりになりながらポケットへ向かいました。
到着後にスイッチを入れるとやはり停電。蛇口をひねると水はまだ大丈夫。
浴槽・バケツ・鍋に水を汲み、反射式ストーブを出して灯油を入れ、
ローソク・懐中電灯・マッチ・携帯ラジオを準備し、ガスコンロも大丈夫。
パスタを茹で、カレーを作り、味噌汁を作り、冷凍ご飯を蒸し器で温めました。
スタッフに送られて帰ってきた利用者さんの顔を見てホッとひと安心。
携帯電話は使えず、メールでスタッフとの安否確認をし、充電は車中で行い、
やがて圏外となりメールも使えなくなりました。
数時間後には懐中電灯も電池切れとなり、反射式ストーブの置かれた談話室の蝋燭の明かりで
皆で夜を迎えました。身の回りに起きた一瞬の出来事です。
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