秋晴れの広がる彼岸、関わった人達の過去を辿る日でもある
お寺の納骨堂に行先を失った遺骨箱二つが肩を寄せ合い私を待っていた
勿論、訪れる人は誰もいないのだろう無縁仏の下の段に安置され
寂しさの漂いを感じない訳には行かない利用者親子。線香をあげ
合わせた手の隙間から行き先の判らない捜索の日々が胸の傷を広げる様に思い出される
おーい、タケちゃん何処にいる~ 涙声で探すスタッフ達の結末は葬儀だった。
十字架のお墓には愛夫の捧げただろうか白い花が、分厚いメガネレンジの横顔が
忙忙と働くスーパーウーマン。時を駆ける少女の様に去って行った。
ユートピアとの出会いは幸か、不幸か、今さらに問いて見たがその名はやはり幸子。
観音母子像の前には沢山の花が、水子の供養心が伝わって来る。
ここは、GHの利用者のざんげの場所であった、中絶を余儀なくされた彼女の為に
母としての生き方を説き水子の供養を習慣づけた。逃げる彼女を必死に追いかけ引き戻し
説得の日々、窶れて行く課長の姿がそのまま浮かんで来る。しかし喪服の儀式までやり遂げとげ事は意義
深いのでは。
過ぎて行くに従いなだらかに見えるが、それは激しく果敢に燃えた日々は追憶の果てにしか
見る事は出来ない。人は何処に辿り着くのかこの仕事の本質は闇の中か。
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