二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい 立派すぎないほうがいい
立派すぎることは 長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい 完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい 二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい 互に非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとかいう 無理な緊張には 色目を使わず
ゆったり ゆたかに 光を浴びているほうがいい 健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても
二人にはわかるのであってほしい 続・吉野弘詩集 より
我が事業所の頼りになる主任が先週めでたく結婚をした
今日8月にオープンしたグループホーム『トミー』と『マーチ』の世話人と
ミーティングを開いた この詩を紹介したいと思った・・・