「今日はみんなが俺の邪魔をするし、冷たい気がする」

ある利用者さんがそう漏らしました。

普段は穏やかなのに、その日は目を伏せて落ち着かない様子でした。

実際にその日、周囲のスタッフや他の利用者さんが冷たく接していたわけではありません。

でも、その方にとって“世界”はそう感じられたのです。

 

そんな時、自分はよく「気のせいだよ」と言ってしまいがちでした。

でも、その言葉ではその人が感じている“現実”を否定することになるのだと少しずつ学んできました。

 

精神の調子が優れない時、見えている世界の音も人の表情も敵意を帯びて見えることがあります。

ご本人は「現実とは違う」とどこかで分かっているのに、感覚としてはそう感じてしまう。

 

自分はその「見え方」が現実かどうかを正そうとしてしまいがちでしたが、

正しくすべき事は「そう見えているのですね」と受け止めることなのだと思います。

 

その方と何度も対話を重ねる中で、少しずつ変化がありました。

「今日の気分もだいぶダーク。でも、施設長の声は晴れてるね。」

そう言ってくれた日がありました。

彼にとって、世界は常に一定ではなく、心の状態によって表情を変えるもの。

それでも、「ジョイフルに来て、この人と話すときは安心できる」と思える存在であることで、

曇った世界の中に少しでも光を見出せるのだと感じました。

 

人の見ている世界は一人ひとり違います。

時には苦しみや恐れに包まれていて、想像しきれない景色が広がっているかもしれません。

自分達に出来る事は「その世界に飛び込んで理解する」ことよりも、

「その世界の入り口に座り、話を聞くこと」なのではないかと思います

その姿勢こそ信頼関係を育て、

相手が「ここにいていいんだ」と感じられる第一歩になると信じています

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涙なんかいらない、いつでも微笑みを、そんなひまわりの花~♪

 ひまわり・・・

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