ここ最近、一気に気温が上がり、「夏が来たな」と感じる日が増えてきました
冷房や扇風機を調整しながら過ごす毎日ですが、ふとこんなことを思いました
精神に不調を抱える方にとって、暑さはどれだけ負担になっているんだろう?
私自身の実感として、
精神障害をお持ちの方は暑さによる影響を受けやすいように思います
ある利用者さんは暑くなってくると気分が不安定になりやすく、
「なんかイライラする」「寝つけない」と話していました
別の方は、暑いと外に出るのも億劫で人と関わるのも避けたくなると、ぽつり
調べると、暑さが精神状態に影響を与えることはさまざまな研究でも指摘されていました
・高温になると、自律神経が乱れて不安感やイライラが強くなる
・一部の精神薬は体温調節機能に影響し、熱中症のリスクを高める
・気温の上昇によって、抑うつ症状や自殺リスクも高まる
というデータもあるそうです
特に、統合失調症やうつ病などの症状を持つ方は、
「外の暑さ」だけでなく「内側の不調」も同時に抱えることになり、より負担が大きいのだと知りました
そうなると私たちは、
「暑さ」=「体力の問題」だけではなく、「心への影響」にも目を向けることが大事ではないでしょうか
とはいえ、夏場は草刈りなどの外作業がどうしても増える季節でもあります
「外に出ない」という選択が難しいからこそ、
暑さの中でも安全・安心に過ごせる環境をつくることが求められます
作業前後には日陰での休憩・水分補給・アイスノンや冷却スプレーなどの小道具を活用
表情や口数の変化から“いつもと違う”に気づく視点を持つ
利用者さん自身にも「暑さで気分が落ちることもある」という知識と自己理解を深めてもらう機会を持つ
また、「暑いのに作業がある」「具合が悪くても言いづらい」という思いを抱えないように、
“言いやすい雰囲気”をつくることも支援の一部だと思います
利用者さんの一人が、こんなことを言っていました
「暑さで集中できなくなってきたって言ったら
“わかるわかる、こっちもバテバテよ〜夜のビール楽しみだね”って笑われて、それだけで気が楽になった」
何気ない一言のやりとりが、その人の『今日一日』を支えることもあります
『暑さに向き合う』というと、水分補給や冷房のことばかりが注目されがちですが
その人の気持ちや精神状態にも寄り添っていくことが夏場の支援では大切な視点なのだと思います
暑い日が続くこれからの時期、黙々と働いてくださる利用者さんたちに、
少しでも安心して作業してもらえるような言葉や環境を届けていけるようにしたいと思います
気温による精神的変化は当たり前で、その表現の仕方はその人の特性であり勿 論、暑さの表現の基準もありません。これは自然環境の対応力、すなわち生きて行くためのハードルである事の基本的理解をどうするかです。
簡単な話では、「暑い」と言うとその暑さに気が集中し不調になる傾向に、
逆用語として「暑くない」とか「涼しい」と言うと安心感に救われると言うものです。ほら、「病は気から」の俗語。