とあるお風呂屋さんで年配の女性と出会った。84歳になったという。
同じ浴槽に入ろうとしていたため、「お先にどうぞ」と譲り、
「さっきはありがとう」と話し掛けられたのがきっかけで会話が始まった。
その女性は、義理のお兄さんが1週間前に亡くなったこと、
娘さんの仕事や小さいころの話、週末の過ごし方などを話してくれた。
お互いに髪や体を洗いながらだったが、なかなか女性の話が途切れることはなかった。
「ところであなたはなんのお仕事しているの?」と聞かれ、
「障がいのある方が通ってくる施設で働いていますよ。」と答えた。
「どうりで・・・なるほどね・・・ちゃんと顔に出ているわよ。
それはあなたにぴったりのお仕事だと思うわ。
あなたの顔は、とっても優しくて人を受け入れるいい表情なの。
うんうんって聞いてくれて、ありがとう。
ついついいっぱい話をしちゃった。おかげで気持ちがすうっとしたわ。
これからもお仕事頑張ってね。」
と言って、先にお風呂からあがっていった。
あわてて目の前の鏡を見たが、最近体重が増えたせいで
全体的にふっくらしたからか、表情はやわらかく見えた。
大人になってほめられることはほとんどなくなったが、
このことに自信をもって、今週も明るい笑顔、優しい表情で
利用者と向き合っていこうと思った。
おばあちゃん、ほめてくださってありがとうございます。
太っているのもいいもんだよ。幸せそうにみえるし、頼りがいがありそうにみえます。