注射

| 未分類 |

今日は年に一度の健康診断の日
今年入ったMさん 
あの瞬間までは、生き生きと笑顔で、いつも通りおしゃべりをしながら
楽しげに健康診断を受けていた…

身長を測り体重を計り…聴力を図り
看護婦さんにも元気な声で「お願いします。」と挨拶も出来
素晴らしい…
でも…次の瞬間 「怖い、怖い、嫌だ。」
食堂中に大きな叫び声が響いたのです。

そう、、、Mさんは注射が大の苦手だったのです。
目に涙を浮かべながら必死に注射を拒否…
「Mさん。チャレンジしてみない?」
「頑張る。」
頑張るという言葉は出てくるが…
席に座ることも出来ない。
「みんなも頑張って出来たからMさんも頑張ってみよう?」
何度か注射を行う席に座ることがやっと出来るようになってきた。

スタッフ2人で説得。
スタッフ「見ないように頑張ろう?」
Mさん「うん。頑張る。みんなやってるから。」
看護婦さんに手を出す。
Mさん「やっぱり、怖い。」
スタッフ「じゃあ。辞めちゃう?」
Mさん「やる。頑張る。」と手を差し出す。
でも、「怖い、怖い。」と言いながら手を動かしてしまう。
看護婦さんが「大丈夫だよ。すぐ終わるから。」
スタッフ「頑張ってごらん。俺も隣にいるから。」

30分くらい説得を続けやっと、注射を行うことが出来た。
私のお腹に顔を埋め「痛いよ。痛いよ。」と言いながら
最後まで手を動かさず我慢することが出来た。
注射が終わった瞬間…
健診に来ていた看護婦さん、周りに居たスタッフから自然と
大きな拍手が生まれた。
見ていた周りの方々の口から
「よくやった。さすが男の子だ。」
「凄いよ。よく頑張った。」等々
大きな歓声が上がっていた。
でも一番嬉しそうだったのは本人。
「やった。我慢した。」いつもの太陽のよな笑顔で
みんなに自慢げに話していた。
作業もニコニコして行うことが出来た。

アーカイブ

アクセスカウンタ

総閲覧数   :
今日の閲覧数 :
昨日の閲覧数 :