朝の顔出しは4時前から始まる。捨てるにはもったない高価であったろう自転車、どうやら修理で使えそうにあり難しい変速機の調整を終え。人に見られないようにこの時間に試運転に繰り出すのである。気が付いいたら昔馴染みの長者山付近でありそのまま立ち寄る事になった。以前と比べ木の枝が伸び雑草も多く境内が狭くなった様に感ずるが記憶のたたずまいはそのままである。かつてボランテアの若者達のスタートとゴールはここにありゲームのハンカチ落とし、かくれんぼ、輪になりミーテングと、この場所には熱い青春が染みついていた。年月と共にその顔触れは一つ一つ薄れながらもこの場所で育んだ繋がりは信じたいと思いながらユートピアへたどり着いた道程は必然的と言うしかない事を改めて認識するのである。しかし、この自転車私をここに連れてきたのには訳がありそうである。